好きなものに好きと言うこと

07.趣味のこと
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年明けくらいから、しずくだうみさんというシンガーソングライターの方の曲にハマっている。アップルミュージックで聴ける、すごくいいのでみんな聴いてほしい。

これは大変無礼な言い方になるかもしれないけど、メチャクチャ有名な人ではないっぽい。今でも「インディーズ」って言うのか? そんな感じか、よく分からないけど、よくテレビに出たりする人ではないらしい。でも、すごくいい。

私は、音楽とかまったく詳しくないし、自分から積極的に新譜をフォローしていくほうでもない。しずくだうみさんにしたって、妻が教えてくれたのがきっかけで知った。「昔ライブで聴いたことがあって、すごくよかったよ」って教えてくれた。

私は、妻の言うことをあまり聞かない。それでよく叱られるんだけど、しずくだうみさんは何回も勧めてくるもんだから、それで渋々聴いてみたら、すぐハマった。最近、家にいるときは、スピーカーからずっと流しっぱなしになっている。

インタビュー記事とかも読んでほしい。ぜひ読んでほしい。

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そのリリカルでセンシティブな独自の世界観でじわじわと注目を集め、自ら「闇ポップ」を掲げるシンガーソングライター、しずくだうみが待望の1stフル・アルバム『都市の周縁』を11月16日に発売する。

決してメジャーではないけど、だからこそ、私のように中途半端な立ち位置でフラフラしてる人間に寄り添ってくれるような音楽なんだと思う。多分、私があれこれなにかを言うより、一回聴いてもらったほうが早い。私は、メチャクチャグッときた。

いや、しずくだうみさんの提灯記事を書きたいわけではない。しずくだうみさんには、音源から入って、そのあとSNSをやっていることを妻から教えてもらって、すぐにフォローした。これは偏見なのですが、アーティストのSNSなのに悪意がなくて、そっちでも癒やされる思いだった。

SNSでも「しずくだうみはいいぞ」「しずくだうみを聴け」と何度となく呼びかけてきた。まあ、私のフォロワーは、私の言ってることなんて1ミリほどしか聞いていないだろうから、どれほど「しずくだうみの輪」を広げられたかはわからないが、とにかく「好きだ」「いいぞ」と言いたいから、言ってきた。

「ライブにも行きたいな~」なんて考えていた矢先、4月の頭に、東京の大塚で『春のYOIMACHI』というライブイベントが開催され、しずくだうみさんもバンド(「しずくだうみと可愛いカニ」というバンドです)で出演されることを知り、すぐにチケットを買った。

ライブの感想、とにかくすごかった。私も、音楽ライブは何度か行ったことがある。普通、ライブだと、ボーカルとか演奏とかが、ちょっと狂ったりすることあるじゃないですか。それが、ライブのよさなのかもしれないけど。

しずくだうみさんの歌唱、一切乱れがなかった。素人の私が言うのもアレですが、キーも発声も完璧だった。「家のスピーカーで聴いてるのと、そっくりそのままおなじじゃん」って言ったら、妻に怒られた。どれだけ練習したら、あんなふうに歌えるんだろうか。想像もつかない。

それでいて、ライブハウスで聴くと、全身に押し寄せるような、生音の迫力がある。耳も心も、歌声に席巻されるようだった。圧巻だった。すべてが素晴らしい演奏だった。

「しずくだうみと可愛いカニ」の持ち時間は30分で、5曲の演奏。はじめは「みじかいな~」と文句を言いたくもなったが、終わってみたら大満足だった。

ライブ後に、ロビーで物販があった。私は、もうしずくだうみさんに心酔しているから、物販で対面できるということが光栄で、うれしくて仕方なかった。

奥の通用口みたいなところから、しずくだうみさんが出てくる。物販の説明を聞いていたら、なんとチェキも撮れるとのことだった。絶対に撮ろうと思った。オタクの気持ちがよく理解できた。

CDを購入して、チェキを撮った。すべてにサインを入れてくれるらしい。「宛名は、なににしますか?」しずくだうみさんからそう聞かれたので、恥を忍んで「あまなつ通り商店会でお願いします」と答えた。もっとマシな名前か、いっそ本名にしておけばよかった。

そうしたら、しずくだうみさんが「知ってます」みたいなことを仰ってくれた。このへんのことは、興奮しててあまり記憶にないのだが、しずくだうみさんを名指しで話題にしていたので、目に留まっていたのかもしれない。そのあと少しお話したが、うれしすぎて、記憶が飛んでいる。

SNSで「しずくだうみはいいぞ」だの「しずくだうみを聴け」だのツイートしたり、ブログでも、しずくだうみさんの楽曲を引っ張って書いたりしてて、本当によかった。好きなものを好きだと言い続けた(といっても数ヶ月程度だけど)結果として、これほどうれしいことはない。

さらに、そのあとツイッターで、うちの夫婦の話に少しだけ触れてくださっていた。しずくだうみさんの音楽観(っていうと大げさかもしれないけど)に触れる内容で、これもファン冥利に尽きる。

しずくだうみさんの提灯記事を書きたいわけではない。ただ、ドハマリしたアーティストのことを「好きだ、好きだ」と言い続けていたら、数カ月後には、そのアーティストに会うことができた、これは、私的には、大変なできごとだと思う。

じつは、これ以外にも、「好きだ、好きだ」と言い続けていたらいいことがあった事例がいくつもある。たとえば「しょぼい喫茶店」とその周辺では、おなじくしょぼ喫が好きな人同士で、たくさんの出会いに恵まれた。

個人的な趣味である酒場や喫茶店、街歩きや史跡などにおいても、上京してから得た「同好の士」というのは、「私は○○が好きです」と、みんななにかしらに対して、おなじく好意を表明していた、それが共鳴してつながった部分が大きい。

今思えば、我ながら、素晴らしい習慣だなあと思う。もちろん、趣味の集まりのなかにも、さまざまな葛藤や軋轢はあるが、「○○が好き」という、最も重要な一点においてはつながっていられるし、付き合っていける。

あと、やはり人は、おなじ興味を持つ相手と仲良くしやすいらしい。これを認知バイアスって言うらしいんですけど。

人とつながること、人間関係をスタートさせること、個人的にはすごくむずかしい。相手がなにに興味を持っているか。相手がなにを好むか。なにをイヤがるか。相手にとって重要なことはなにか。などなど、相手のことを考え出すと、キリがない。おっかなくなって、手足がすくんでしまう。

そういうとき、自分から、あるいは相手から一言「私は○○が好きです」という意思表示があれば、関係をはじめる上での、重要なヒントになりうる。お互いの興味が一致すれば、それはありがたいことだし、そうでなかったとしても、自分の興味と相手の興味を重ね合わせたりできるかもしれない。

おなじように「なにかがキライだ」という、ネガティブな意思を表明することも、人とつながる手段ではある。しかも強い結束を生みやすいが、角が立ちやすいのでオススメはしません。

「好き」っていう感情や感想、とてもポジティブで、いいと思う。状況にもよりますが、自分の作品や成果物を「好き」と言われて嫌な気持ちになる人はそれほどいないと思うし、その人自身を「(変な意味はなしで)好き」と言われても、おおむねうれしいのではないかと思う。

なにかに対する好意を、おおっぴらに表明するのは、気恥ずかしいかもしれないけど、減るもんでもないし、好きなものにはどんどん「好き」って言っていったらいいと思う。

あんまり言ってると「媚びてる」とか「おもねってる」みたいなそしりを受けるかもしれない。けど、たとえば私が、しずくだうみさんに向かって「好き」って言って媚びたりおもねったりしたところで、なにがどうなるわけでもないので、これからも言い続けていく。

私は私が「いい」と思ったから「好き」と言っている。できることなら、この「好き」の感情をシェアしたい。独り占めはしたくない。SNSで、いいねをつけたりシェアする感覚で、いいと思ったものに好きと言っていきたい。

私の好きなもの、私と感性や境遇が似ている人なら、きっと好きになってもらえると思う。そうじゃない人にも、私の好きなものに関心を持ってもらえたら、うれしい。私の好きなものが、世の中に広まっていって、ひとりでも多くの人が、しずくだうみさんの歌を聴くようになったらうれしい。

「好き」、いろいろな感情を内包している。自分にとって好ましいという意味での「好き」友人たちへ勧めたい意味での「好き」対象を応援したい意味での「好き」それぞれきっちり分かれているのかどうか、怪しい。それぞれどういうふうに使い分けていいのか、わからないけど、まあ私は私の好きなものに、「好き」と言い続けていく。

もちろん、のべつまくなしに、いい加減な好意を表明すればいいというものではない。その後の人間関係やリターンなどの実益を目当てに、好意のアピールを繰り返すのは如何なものかと思う。けど、自分の好きなものに対しては、どんどん「好きだ」と言っていったらいいと思う。

それが、新しい人間関係、よりよい人間関係を生んでいくかもしれない。ポジティブな感情は、連鎖していくと信じている。

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