きれいな本屋

04.じんせいのこと
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このあいだ、近所の本屋へ行って気づいたんだけど、エロ本コーナーがない。「小さい本屋だから、仕方ないか……」と思ったけど、家に帰ってから、だんだん違和感がデカくなってきた。

小さい本屋、本当に小さい。都内によくあるペンシルハウスを、そのまま本屋にしたくらいの広さしかない。2階建てだが、蔵書の数は少い。

あと、本の並び順がメチャクチャである。出版社順でもなければ著者名順でもなく、毎度少しイライラしていた。

そんな本屋に、エロ本なんて置けるわけないだろう。だいたい店頭には「小学1年生」とか「小学4年生」とか「小学6年生」とかが、平積みにして置いてある。教育にいい本屋。ますますエロ本が似つかわしくない。

エロ本を置かずに、なに本を置いているのか。まあ普通の本が置いてある。新書、文庫本、コミックスなど。何度も言うが、蔵書は少ないから、本棚はバラエティにとぼしい。売れ線の本が多く、本棚を眺めているとアクビが出てくる。

別にエロを探していたわけではないが、どうしてもそこでエロを見つけたくなって、翌日もう一回行った。一目見てわかるエロ、ないのか。店じゅうを探し回った。結果、どこにもなかった。官能小説の大手「フランス書院」すらなかった。

すごくゾーニングされていると思った。コミックスのなかに、若干エロいもの(オタク向けのラノベマンガなど)があったが、棚の高い位置に置いてあって、子どもは手に取れないようになっている。ほかにも、成人向け要素が含まれる本(エログロ含む)は、ことごとく棚の上段にしまわれていた。

一見メチャクチャに見えた本の並び順も、実は考え抜かれたものかもしれないと思った。グロ描写のあるマンガは上、全年齢向けは下みたいに、人の目を通して配置が決められているのかもしれない。だとしたら、すさまじい労力である。

本当にそうかは、わからない。そこまで思い入れがあるかどうかも、わからない。「エロ、避けてますか?」とも聞けない。ただ、とてもきれいな本屋だと思った。

小さい本屋ならなおさら、18禁スペースみたいなものを作るのは難しいだろう。そうするともう「エロ本は置かない」という選択肢を取らざるを得ないのかな。別にそこまでエロ本を買いたいわけではないが、昔あったものが今はないことには、少し違和感を覚えてしまうな。

エロ本のない本屋、少し寂しくもあるが、子どもの気持ち、また親の気持ちになってみると、やむをえないなあという感想がある。今はラムタラみたいなエロ本(エロメディア)専門の店もあるし、別に世の中からエロ本が消えたわけでもない。

私が子どものころには、本屋にもエロ本が無造作に並べられていたりして、その前を通りがかるときは、なんとなく気恥ずかしくなっていた記憶がある。今はもう、そういうバツの悪い思いをしなくてもいい。きれいにゾーニングされているので。

子どものころは、河原でエロ本を拾ったり、先輩から譲ってもらうエコシステムがあった。今の子たちは、どうしているんだろう。どこでエロに触れて、どこでエロを学んでいるのだろう。やっぱりインターネットだろうか。

大体のコンテンツが(違法・脱法も多いが)無料で手に入るインターネット、本当にいいよなあ。自分が子どものころに普及してなくて、本当によかったと思う。もし子どものころからネットに触れていたら、たぶんドップリハマって抜け出せなくなっていたと思う。

最近の少年少女に思うこと、ネットで自分好みのエロばかりに耽溺せず、いろんなエロに触れてほしいと思う。エロ本文化も廃れつつあるが、エロを学ぶなら、雑多な情報が詰まったエロ本が、いちばんいい。本屋がエロ本を置かないなら、河原で汚れたエロ本を探せ。エロ本を読め。

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