ジムはいいぞ

04.じんせいのこと
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過去の記事にも書いたが、18歳の頃と比べて、30キロ太った。もちろん、単線的に増え続けたわけじゃなく、中期的な増減を繰り返しながらだが、とにかく30キロ太った。

いや、18歳のときって、まだ10代じゃん。若いから身体も動かしていたし、代謝も活発だったし。それと比べて30歳になった今、多少体重が増えても仕方ないよ。などと、自分に言い聞かせてきたものの、20代のころに着れていた服がことごとくサイズアウトし、シャツはお腹の部分がパツンパツン、見るも無残な姿になって、ようやく認識を改めた。

そういうわけで、4月の終わりごろから、近所のスポーツジムを契約した。365日24時間オープン、狭いなりに設備も充実しており、月額料金は安くなかったので、これを捻出するために煙草をやめた。ジムといっても、トレーナーがいて一緒にレッスンを、みたいなジムでない。好きなときに行って、勝手に設備を使ってトレーニングをしてね、というジムである。仕事をしていないので、平日の昼間とかに行くのだが、だいたいガラガラなので、非常に相性がいい。

私もアホじゃない、いやアホなんだけど、自分の体重がヤバいことなっていることには、結構前から気づいていた。一年くらい前にも「ダイエットをしよう」と思い立ったことがある。

私は、何事も形から入るタイプだ。当時は会社に勤めていて、多少金銭の余裕もあったから、ノースフェイスのトレーニングウェア上下と、アディダスのランニングシューズを買った。高かった。

結論から言えば、ムダな出費に終わった。ウェアとシューズを身に着けて、近所の大きい公園へジョギングをしに行った。その公園には、一周1キロくらいのトラックがある。「2、3周くらいは走れるだろ」と、ごく軽く考えていたが、いざ走り出すと、脚が上がらない。普段まったく走っていないのだから、当然である。ムリヤリ走っていたら、足首に不穏な痛みを感じて、そしてジョギングに挫折した。

「まずはウォーキングから始めるべき」という友人のアドバイスに従って、普段から歩くことを意識するようにした。平日は、家の最寄り駅の一駅前で電車を下車して、あとは徒歩で帰る。休日は近所の公園へ行って、トラックを歩く。ということを数ヶ月ほどやっていたのだが……。

目に見える成果というのが、一向に出てこない。手脚肩が細くなるわけでもなければ、腹がへこむわけでもない。体力は、多少ついたかもしれないけど……とにかく、やりがいが感じられない。そんなこんなで夏になり、暑くなってきたので終了。ウェアとシューズは、押入れの肥やしとなっていた。

そういう前科があったから、ジムを契約するときも、かなり悩んだ。半年くらいは、ずっと検討中のままだったのだ。しかし、いよいよ身体にガタが来て「このまま、なにもしないのはまずい」ということで、思い切って契約に踏み切った。「仕事をしてないのに、有料のジムなんて……」と思われるかもしれないが、このために酒もタバコもやめているのだから、多少は大目に見てほしい。

ジムへ行くにあたって、ウェアとシューズが必要とのことだったので、押入に眠っていたノースフェイスの上下と、アディダスのシューズを引っ張り出してきた。ようやく、ちゃんと役に立つときが来たのだ。

契約してからは、「元を取るぞ」の精神で、とにかくたくさん通った。平均すると週に4日ほど、多いときは週に6日通ったときもあった。金が、それも今の私にとっては安くない金額の金がかかっている。わりと必死になっている。あとはまあ、仕事をしていなくてヒマだというのも、もちろんある。

普段は、マシンによる筋トレと、ウォーキングを続けている。効果は目覚ましい。通うようになってから2週間くらいで、見た目が露骨に痩せてきた。むくみかなにかでパンパンになっていた身体が、シュッとしてきた。しもぶくれだった顔が、スッキリしてきた。腹も二回りほど細くなり、シャツの胴回りに余裕が出てきた(それでもまだ太いが)。たった2週間で、である。

現在は、通い始めてから1ヶ月半くらい。本当に、いいことづくめである。通う前と比べると、体重は5キロ以上落ちた。目標のマイナス20キロまでは、まだまだだが。顔や腹ものお肉も、順調に落ちてきていて、今は皮がたるんできている。筋肉がついてきたのか、胸や、肩や、太ももが、少し膨張してきたのは誤算だったけど……。

あと、これは思わぬ効果だったんだけど、日常の体力に余裕が出てきた。以前は、電車内などで少しのあいだ立っているのもキツかったし、10分15分の距離を歩くのがしんどいという、散々な状態だった。しかし、ジムでトレーニングをするようになってから、長いあいだ立ちっぱなしでも平気になったし、多少の距離を歩くのも、なんてことはなくなった。多分、減っていた筋量が回復してきたからだと思う。

以前の私は、寝たきりのひきこもりだったから、身体がガタガタだった。ベッドの上で寝返りをうっただけで、脚をひねったり、筋を違えたりしていた。しかし、ジムへ通うようになってから、そういうこともなくなって、日常の動作を苦もなく行えるようになった。外出する習慣もついたし、これは社会復帰への大きな一歩ではないか。

うれしいのが、ジムへ通いだしてからも、食事制限は一切していない、なのに痩せたこと。と言っても、今は禁酒中だから、酒を飲むながらドカ食いをすることはない。金もないので、大した贅沢もしていないのだけど……ラーメンなど、重めの炭水化物はちょくちょく食べていたが、1ヶ月ちょいで、5キロ減った。

まあ、ラーメンとかを食べなければ、もっと痩せていたかもしれないけど……でも、食事制限はすごく苦手だし、食べたいものを食べて痩せられたらサイコー! という考え方なので、今は最高である。

「筋トレでうつが改善する!」なんて話もあるが、私はこれには非常に懐疑的だ。医学的根拠は薄いそうだし、ジムに通っている現在でも、よく気分がふさぐことがある。

ただ、トレーニングをすることによって、単純に体調がよくなったり、体力がついたりして、疲労由来のうつ状態になりにくくなる、みたいな効果は期待できるかもしれない。なんの根拠もないけど。

私は、べつにムキムキのバキバキになりたいわけじゃない。単に痩せたい、細くなりたいだけだから、軽めの程度の負荷しかかけていない。でも、この程度のトレーニングでも、十分体力はつくし、体質も改善されるっぽい。今まで長年、運動とは無縁な生活を送ってきて、そして今のありさまだけど、適度な運動の必要性を思い知らされている。

ジム選びにあたって、公営のジム(都度払いで安いが少し遠い)と民間のジム(月会費制で高いが近い)とで悩んで、民間を選んだのだが、これは完璧に正解だった。ひとつは、やはり家から近いこと。ジムが家から遠いと、行くこと自体がハードルになるので、通えなくなる気がする。

もうひとつは、月会費制で、値段が高いこと。「高い金払ってんだから……」というさもしい気持ちが、私の背中を押してくれる。都度払いで割安な公営ジムだと、性格上、多分すぐ通うのをやめていたと思う。

ジム通い、自分の性格に合っていたんだろうな。たまたま近所にジムがあって、たまたま上手く通い続けられている。

運がよかったのかもしれないから、誰にでも「ジムはいいぞ」と勧められるものでもない。ただ、ジムに入って、通っていてよかったと思う。痩せたし、身体が丈夫で、健康になってきた気がする。

ジムに通って思ったのだが、というか多分当たり前のことなのだが、人間毎日多少は身体を動かしていないと、生き物としての性能が衰えていくんだろうな。

ジムに通う前は、本当に寝たきり老人みたいな暮らしだったから、ちょっとした外出も、危険な冒険のように感じていた。ジムで身体を鍛え直すことで、ようやく普通の人間に戻れた感じがする。べつにジムじゃなくてもいいんだけど、継続的に運動はしたほうがいい。

大人になってから、一切運動をしてこなかったデスクワーク人間、ジムでちょっと身体を動かすだけで、感動的な変化が訪れると思う。トレーニングというより、リハビリテーションに近い感覚かもしれないけど……。

本当は、自発的に歩いたり走ったり、自宅で筋トレをしたり、あるいは公営のジムにちゃんと通ったりできればいいんだけど……多分私は、それができない人種なんだ。だから、わざわざ高い金を払って、民間のジムを契約し、脅迫的に通い続けるしかない。悲しいけど、それが現実なんだ。

どういう人に、ジムを勧めたいか。圧倒的に「だらしない人」に勧めたい。「痩せなきゃ……」「運動しなきゃ……」と思ってはいるが、自主的にはなにもしない人、金を惜しむケチな人、面倒くさがりな人、そんな人たちにこそ、わざわざ高い金を払って、脅迫的にジムへ通ってほしい。

もし運動が必要だと感じているなら、あと費用を捻出できるのなら、投資だと思って、民間のジムを契約することをオススメする。健康な身体を守るためには、早め早めに対策をしていったほうがいい。

きっと筋肉は応えてくれる、多分後悔はしない。

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