躁状態のときにしなかった七つのこと

03.精神障害のこと
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一昨日の朝、頭のスイッチがいきなり「パーン!」と切り替わって、躁状態になった。喫茶店でコーヒーを飲んでいるとき、突然「ハッ!」として、頭の中が幸福感でいっぱいになった。

その瞬間「これは躁状態だ」と思った。普通なら、頭がいきなりハッピーになることなんて、ありえない。突然の感情の変化、これは躁状態に違いない。

私は双極性障害(躁うつ病)だから、そのために、自分の感情が理由もなく変化することを知っているし、自分の情動が理不尽に振り切れることを知っている。

しかし、これほどハッキリとした躁状態になったのはひさびさな気がするし、それを自覚できたのもひさびさな気がする。今回は、早めに気づくことができて、本当によかった。

躁状態について、過去には「今思えば、あのときは躁状態だった」という感じで、あとから躁状態だったことに気づくことが多かった。しかし、今回は躁状態になった瞬間に「なった!」というのが明らかにわかったのでよかった。ちなみに一昨日の午前9時半に「なった」。

今回の対応、手前ミソだが、わりと完璧だった気がするので、備忘録的にメモしておきたい。私はラピッドサイクラー(躁状態とうつ状態が、コロコロ入れ替わる)なので、多分みなさまのお役には立てないだろうが……。

1.躁状態になったら他者と関わらない

私の場合はだが、躁状態になると、他者に対して攻撃的・暴力的になったり、過干渉的になったりするところがある。こういうときに他者と関わると、だいたいロクなことが起きない。

他者と言っても、家族や友人だけではない。道ですれ違う人、街で見かけた人、まったくの他人すべてに対しても、敵意を持ったり、攻撃的になってしまう。

あと、躁状態になると、なぜだかわからないけど、知人や友人に連絡したり、予定を立てて遊びたくなってしまう。社交的になること自体は、悪いことではないんだけど、程度に問題がある。たいてい過活動になってしまって、予定がハチャメチャになったり、過労になったり、ロクなことがない。あと、躁状態のときに人と会う、これは、経験上100%ロクな結果を生まない。

なので、躁状態になったら、とにかく他者との接触を避ける。「この世のなかは私ひとり」という気持ちで生活するように心がけた。

2.躁状態になったら外出しない

1.とかぶるんだけど、外出すると、どうしても他者と接触してしまう。私は、これがすごくストレスに感じる。

いつ、なにがきっかけで、見知らぬ他人に暴力性を発揮してしまうかわからない。他者と接触しないために、躁状態になったら、極力家から出ないことにした。

3.躁状態になったらなにもしない

躁状態だと、家にいてもソワソワする。なにかせずにはいられないが、外出はできない。だから家事でもやろうか、あるい創作活動に没頭しようかと思うんだけど、あえてなにもしない。

私の場合はだけど、躁状態のときは、すべてが雑になるので、たとえば掃除をしてもかえって散らかしてしまったり、料理をしても食べられないものができあがったり、小説を書いてもとても読めたものではなかったりと、ロクなことがない。

躁状態なので、気力充実、エネルギーはあふれてくるのだが、いかんせん使い道がないというか……躁状態の私は、暴走する車のようなものなので、このエネルギーを使ってなにかをしようとかは、考えてはならない。むしろ、エネルギーを早急かつ穏便に、枯渇させなければならない。

なので、あえてなにもしない。横になったり起きたり、部屋の中を歩き回るくらいは、やむをえない。しかし、フライパンやガスコンロ、掃除機やPC、その他の家財に触れることは許可しない。

4.躁状態になったらネットを見ない

私の場合は、インターネットを見るというと、主にTwitterとnoteなんだけど、望む望まざるに関わらず、様々な情報が入ってくる。普段なら、自分が望まない情報はスルーできるんだけど、躁状態のときはスルーできないことが多い。さらに最悪なことに、私は社会学部卒なので、どうしても、なんにでも、いっちょかみしたくなってしまう。

私は普段から「自分に関係のないことには言及しない」というルールをもうけていて、いろいろな話題、特にセンシティブな話題には言及しないよう気をつけている。しかし、躁状態になると、どうしてもガマンができなくなってしまう。

躁状態だから、言及の仕方も極めて雑で乱暴になる。そうすると、炎上までは行かなくとも、多くのクソリプを食らうことになって、精神の具合がさらに悪化する。負のスパイラルだ。

そもそもインターネット自体、精神衛生にいいものでもないし、躁状態になったら、極力ネットを見ないようにしている。それでも、たまに見ちゃうけど……。

5.躁状態になっても余計な薬をのまない

一昨日「パチン!」と躁状態になったとき、症状を早く治めたくて、薬の量を勝手に変更しようとしてしまった。具体的には、リーマス(炭酸リチウム)を勝手に追加しようというアイデアが浮かんだのだけど、こういうことは絶対にしてはいけない。

リーマスが躁状態に効くのはたしかだけど、この薬は服薬量の調節がむずかしく、量を間違えると身体を傷めてしまうし、最悪死ぬ、そのうえ、苦しんで死ぬ。

服薬量は、お医者さんが必要な量や、許容量をもとに決めてくれている。なので、症状が急変しても、自分で勝手に変えないようにしよう。たとえば、たまたま薬が余っていて、「この薬、以前は効いたよな……」と思っても、飲んではいけない。

双極性障害のように、症状が急変する疾患や障害の場合は、頓服薬(症状が急変したときに飲む薬)を、あらかじめもらっておくのがいいと思う。

6.躁状態になったら医者の話以外は聞かない

5.にも関わるけど、躁状態になったら、可能な限り早く病院へ行くのがいい。今回は、躁転した翌日に病院へ行き、医師に症状を伝えて、薬の処方を変えてもらった。

躁転すると、それまではちゃんと効いていた薬が、突然まったく効かなくなることも、よくある。私も、「いつもの」処方で一晩様子を見てみたけど、全然ダメだった。翌日の診察で処方を変えてもらったら、躁状態の症状がたちどころに治まった。

躁状態に限った話ではないが、ネットや書物を調べると、いろんな「治療法」が出てくる。精神状態がよくないときは、そういうのに惑わされがちだ。以前は私も、アロマやお茶やハーブで、双極性障害に立ち向かおうとしていた。結果的には、全部ダメだったが。アロマやお茶やハーブをけなすわけじゃない。どれも落ち着くし、セクシーでいい感じだ。ただ、医療的な効用は、ない。そういう民間療法に惑わされず、黙って医者へ行くべきだった。

精神疾患・精神障害の治療方法はいろいろあるが、私は医療を信頼しているし、なかでも薬物療法はエースで4番だと思っているので、薬だけは適切かつ迅速に合わせていきたい。

7.躁状態が治まるまで起きない

これは経験則なのだけど、躁状態になった、エネルギーがあふれる、なにかをしなきゃ、なんでもやってやるぞ、みたいな状態を続けていると、躁状態が終わったあとの揺り戻し、躁状態のあとのうつ状態が、本当にキツくなる。

なので、躁状態なったら、とにかく寝る。可能なら、いつものライフサイクルで寝起きする。不可能なら、強めの睡眠薬・安定剤を飲んででも、寝る。

躁状態のまま起きていて、躁状態のエネルギーに流されて活動しても、いいことなんてひとつもない。自分は充実感にあふれているかもしれないけど、まわりの人を疲弊させたり、振り回したり、傷つけたりするし、大切なものを壊してしまったり、取り返しのつかないことをしてしまったりする。

なので、躁状態のときは、一切活動しない。医師から処方された、強めの安定剤・鎮静剤。これを飲んで、心身のスイッチを切る。目覚めたら治まっていれば、万々歳。ダメだったら、おなじ手順で、もう一度スイッチを切る。オンとオフ。躁状態が治まるまで、それを繰り返す。今回は、2泊3日でほぼ治まったようで、ラッキー。

今回は、頭が「パチッ!」と切り替わるのが自覚できたので、よかった。かなり劇的に頭の状態が変わったが、自覚があったおかげで、情動を上手くコントロールできた気がする。

はじめにも書いたように、対応は完璧だった(と思う)。躁状態になったら、すぐ家にひきこもって、頓服の安定剤と睡眠薬を飲み、眠る。翌日は病院へ行き、躁状態を抑える薬をもらって、それを飲み、ひたすら眠る。

もちろん、運がよかった。もし躁転を自覚できなかったら、もし耐えきれないほど強い感情の波だったら、もしすぐに休みを取れる状況じゃなかったら、もし病院の予約が取れなかったら……いろんな偶然が重なって、運よく最悪の事態を回避できたんだと思う。今回は上手くいったが、次はどうか、わからない。

そして、目覚めてこれを書いている。今はどうか、まだ安定剤が残っているようで、頭の奥がボーッとするが、躁状態のときのヒリヒリ感、切迫感はなくなったし、普通に眠いので、多分もう躁状態は終わったんだと思う。

上手いこと躁状態が終わった、すると、次はうつ状態がやってくるのが世の常(?)である。

うつ状態は、眠ってやり過ごすしか方法はない。最近は、うつに状態にともなう希死念慮もないけど、次はどうかな……どうかこのまま平穏な日々が続いてほしい。

まあ、ともあれ無事に終わったようでよかった。一昨日の朝、ひさびさにパッと頭が明るくなって、「あぁーっ!」って感じだったけど、何事も起こらなくてよかった。

過去には、躁状態による逸脱行為がたくさんあり、思い出すたびに胸が苦しくなる。今は、まっすぐに生きていたい。人にやさしく、自分にやさしく生きていたい。そのために、躁状態は、めちゃくちゃジャマなんだ。

今回の対応を、今後のモデルケースにしよう。病識ありき・症状の自覚ありきなので、あまりあてにはならないが……なんとなく「こうすればいい」みたいなのがわかった気がする。

双極性障害になってから10年、自分の頭の調子を、だいぶ客観的に見られるようになってきた。躁状態とうつ状態、シムシティに例えるなら、災害が発生するようなもんだ。今回のは「暴動」くらいだろうか。印象はかなり強烈だったけど、結果的に薬と睡眠で対処できた。

これが「噴火」「地震」「モンスター」とかだと、対処のしようがないな。それらが起こる可能性があること、それによって、他者を傷つけてしまう可能性があることを、絶対に忘れないようにしたい。これからも、躁状態を抑圧するぞ。

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