食う、寝る、泣く。

02.メンタルヘルスのこと
この記事は約5分で読めます。

私は昔から、情緒が安定しているほうだった。多少気むずかしい・ガンコなところはあったけど、人に怒鳴ったりすることは、まったくなかった。

10年前に、双極性障害(躁うつ病)という精神障害になった。双極性障害とは、気分が激しく上がり下がりする精神障害である。

はじめは、双極性障害に手こずった。向精神薬を飲んでるのに、喜怒哀楽が激しくなって、情緒が安定しない。昔は穏やかな性格だったのが、双極性障害になってからは、ちょっとしたことで怒ったり、落ち込んだりするようになってきた。

ストレスへの感度も上がった。ささいなことで心が乱れる。どうでもいいことに一喜一憂してしまう。

双極性障害、精神障害なので、死ぬまで治らない。死ぬまで治らないのだけど、死ぬまで感情を乱高下させておくワケにもいかない。

なので、常に自分の感情のことを考え続けている。

どうやって生きていても、ストレスからは逃れられない。ストレスを感じると、感情が乱れる。どうやってストレスに対処するか。どうやってストレスを解消するか。常にそれを考えている。

双極性障害になってから10年間、障害とストレスに対処するために、いろんな方法を試した。医療以外に、アロマ、瞑想、断眠、スピリチュアル、などなど。ストレスケアのために、いろんなことをやってきた。

今年でちょうど10年、節目の年である。10年間、双極性障害と付き合ってきて、効果的だったストレスケア。食う、寝る、泣く。このみっつが、とても手軽で、とても身近で、とても効果的だった。

まず、食う。文字通り、食事をとることである。最近は暑くて湿っぽい日が続いている。早くも夏バテしたのか、食欲があまり出ない。

食欲がないのに加えて、もとから面倒くさがりなので、気を抜くとなにも食べないまま夜になる。これはよくない。

コレは個人的な経験則なんだけど、空腹のままでいると、うつ状態のスイッチが入りやすくなる気がする。空腹をほうっておくと、気持ちが落ち込んで、胸がふさいでくる。

なので、お腹がすいていなくても、なにかを食べるようにしている。食べるものは、なんでもいい。私の今日の昼食は、バナナ1本。とにかくなにかを腹に入れる。

当然の話だけど、人間は食事をしないと死ぬ。たとえば寝たきりだったとしても、基礎代謝分のエネルギーは消費しているワケで。「食べない=心身の消耗」だと考えるといい。「バランスのよい食事」とかは、とりあえず考えなくていいから、とにかくなにかを食べる。

次に、寝る。睡眠不足、メチャクチャ精神に悪い。私が心身のバランスを崩したときも、はじめは不眠がきっかけだった。

なので、とにかくちゃんと寝る。私は、毎晩0時には就寝して、最低でも1日6時間は寝るようにしている。

双極性障害の場合、睡眠の乱れが、そのまま躁状態やうつ状態につながることもある。眠れているうちは安心、眠れなくなったらヤバい。わかりやすい。うつ病などでも、睡眠の乱れが症状の悪化につながることがある。睡眠は、食事とおなじくらい大切。

「眠りたいのに眠れない」という人もいるだろう。わかるよ。「眠りたいのに眠れない」という状態、精神疾患・精神障害に片足を突っ込んでいる状態なので、精神科・心療内科へ行って、睡眠薬をもらおう。

「睡眠薬を飲んでも眠れない」という人も、いるだろうね。現に私が今そういう状態だし。「睡眠薬を飲んでも眠れない」となったら、もう重症です。可能なら会社などは休んで、キチンと眠れるようになるまで、療養に専念することをすすめる。

薬にしても療養にしても、そうそう気軽にすすめるものではない。ただ、睡眠は本当に大切だ。もし眠れなくなったら、早めにケアをしたほうがいい。ほうっておくと、取り返しのつかないことになる。

食事と睡眠については、以前の記事にも書いた(食事睡眠)ので、よかったら読んでほしい。

最後に、泣く。私は、定期的に号泣している。べつに悲しいことがあった・つらいことがあったとかではないけど、とにかく号泣している。

泣くときは、心から泣いている。泣くネタはいろいろある。映画とか、詩集とか、思い出とか、さまざまなネタを使って、自分の感情を動かす。情動の涙を流す。

泣くと、なんとなくスッキリする。失恋したときとか、ひとしきり泣いたらどうでもよくなったコトとかないですか? あんな感じで、定期的に号泣して、ストレスを解消している。

最近、気分がパッとしなかったので、今日号泣した。今日は高村光太郎『智恵子抄』で号泣した。まあネタはなんでもいいですが……おかげさまで、今は晴れやかな気持ちである。

泣くこととストレス解消のメカニズム、よくわからないんだけど、泣くと気持ちが晴れるのは間違いない。泣いたらスッキリした経験、ほぼ誰でもあるはず。

おなじ「泣く」でも、つらい涙・悲しい涙は、あまり効き目がない気がする。『ダンサーインザダーク』を観たときも泣いたけど、そのときは単に暗い気持ちになった。いや、いい映画なんですけどね。

私がオススメする泣きネタは、ロビン・ウィリアムズ主演『いまを生きる』という映画。私は2年に1回くらいこの映画を観る、通算10回くらいみているのだけど、毎回号泣する。いい映画です。

涙を流すと、心のなかの余計なものが排出される気がする。心のデトックス(って書くとうさんくさくなるけど)になるんじゃないかと思う。

泣こうと思えばなんでも泣けるはずなので、だまされたと思って一度やってみてほしい。たまっていたストレスが、ウソのように消える。

笑うのもいい。笑うのもいいんだけど、「笑い」はむずかしい。ただ笑顔を浮かべるだけ、「ハハハ」と声に出すだけじゃダメで、必要なのは情動だ。意図的に笑うのはむずかしい。その点、泣くのはラクなのでオススメである。

食う、寝る、泣く。ぜんぶ生理現象で、原始的な行為なんだけど、現代はやることが多すぎて、プリミティブな行為がおざなりにされている気がする。

食う、寝るは、サボるとジリジリ死に近づくので、必ずやったほうがいい。「1日くらい食べなくても平気」「一晩くらい寝なくても平気」たしかにそうだけど、その積み重ねで死ぬ。

泣く必要、ないと言えばない。日常で泣くようなこと、そうそうないし。「泣くのは情けない」みたいな風潮もあるし。だけど、人間に感情があって、そして感情が涙腺とつながっている以上、きっと生きていくうえで必要な行為なんだと思う。

おなじ生理現象でも、オシッコを限界までガマンし続ける人は、あまりいませんよね? オシッコをガマンしてると、そのうち膀胱炎になっちゃうし。「食う、寝る、泣く」も、ぜんぶ生理現象なので、ガマンしてるといつかどこかでガタがくる。私は、寝食を惜しんで働いてたら心身を壊したし、最後は職場で涙が止まらなくなってしまった。みっともない。

そうなる前に、みなさんには、ちゃんと食べ、ちゃんと寝て、ちゃんと泣いてほしい。そうすることで、日々のストレスもやりすごせるはず。

タイトルとURLをコピーしました