お金をためる

07.趣味のこと
この記事は約4分で読めます。

おととしの年初に、お酒をやめた。それ以来、アルコールは一切口にしていない。

なぜお酒をやめたか。ひとつは、健康のため。私はもともとお酒が大好きで、多いときは週6くらいのペースで飲みに行っていた。若いころは、それでも平気だった。しかし、30代になってから、気力や体力がついてこなくなって、最終的に心身を壊した。

あと、私は双極性障害(躁うつ病)という精神障害を持っていて、向精神薬を常用している。コレはごくごく当たり前の常識なんだけど、(向精神薬に限らず)医薬品とアルコールの併用はよくない。絶対によくない。というわけで、身体のためにお酒をやめたのが、ひとつ。

ふたつめ、お金のため。定職についていたときは、週6で飲みに行っても、なんら支障はなかった。ただ、会社をやめてからも週6で飲みに行っていたら、みるみるうちに貯金が溶けていった。

会社をやめた直後には200万円ほどあったはずの預金が、3ヶ月後には20万円ほどになっていた。お酒のための支出が、生活費にガッチリくい込んでいて、あやうく家賃・公共料金すら払えなくなるところだった。あぶないあぶない。

ということで断酒を始めて、今月で1年半が経った。最近の経済状況はどうかというと、いっときは限りなくゼロに近づいた預金残高が、もうすぐ100万円というところまで回復した。

「お酒を飲む」以外の趣味がなかったので、お酒をやめたら、支出はグッと減った。買い物もあまりしないので、蛇口をギュッと閉めたように、一気にお金を使わなくなった。

収入は少ない。毎月自転車操業なんだけど、支出はさらに少ないので、自然とお金がたまる。取引銀行のアプリで、毎月の収支を記録・管理している。お酒をやめて以来、赤字になった月がない(お酒をやめる以前は、毎月大赤字だったが)。

べつに、お金をためようと思っているわけではない。どちらかといえば、お金をためるのは好きではない。お金の本質は使用価値なので、使わないと意味がない。パーッと使うほうが気持ちがいい。

ただ、お金の使い道がない。お酒をやめた今、なににお金を使っていいのか、よくわからない。趣味もないし、ほしいものも特にない。たまに喫茶店でコーヒーを飲むのが数少ない楽しみだけど、毎月の支出額としては、タカがしれている。

そんなわけで、口座にお金がたまっていくのを、毎月なすすべなく眺めていた。ぜいたくな悩みかもしれないが、口座に余計なお金がたまっていくのを見て「コレを、どうすれば……」というやるせなさを感じていた。

毎月毎月ムダな貯金を積み上げて来たわけだが、先日、お金がかかるイベントが降ってわいてきた。引っ越しである。こんなご時世ではあるけど、やむをえない事情で引っ越すことになった。

引っ越し、みなさんも経験があると思いますが、とにかくお金がかかる。新居の敷金・礼金・仲介手数料・諸費用・引っ越し屋さんに支払うお金など、もろもろ合わせて50万円くらいの見積書がきた。

私は若い庶民なので、50万円を現金で支払った経験がない。過去にクルマを買ったときは、ローンだったし……50万円分の見積書を見て「どうすんのコレ……」と思ったが、よく考えたら手もとに100万円の預金があるではないか。

そんなわけで、ムダに積まれていた預金が活躍するときがきた。不動産屋さんと、引っ越し屋さんに、所定の金額を振り込む。振込ボタンを押すとき、「この100万円はムダじゃなかったんだ!」と、すごくうれしい気持ちになった。

いまだに、お金をためるのは好きではない。お金は、あくまで使わないと意味がない。お金がたまっていくのを見ていると、かわりになにかをムダにしているような気がしてくる。お金、パーッと使いたい。

が、使い道がない。お酒をやめて、趣味もなく、ただお金だけが手もとに残る。口座には、まだ50万円も残っている。そして、これからもたぶん勝手にたまっていく。どうすればいいのか、なんだかイヤな気持ちになる。

ただ、今回の引っ越しみたいに、急な支出があることを考えると、お金をためる必要性も感じざるをえない。今回は、たまたま口座に100万円入っていたからよかった。もしこの100万円がなかったら……どうなっていただろうか。

よく考えたら、お金はないより、あるほうがいいよな……「余計なお金は持ちたくない」というのが信条ではあるが、お金が急に必要となる場合もあるので、お金はあったらあっただけ、いいよな。

口座残高が100万円を超えたときには「なにか数十万円単位の、デカい買い物をしよう!」と思ったけど、なにを買っていいか思いつかず、またデカい買い物をする勇気も出なかった。

「この100万円で自己投資して、人生にレバレッジをかけよう!」なんてことを思いもしたけど「100万円程度で大きく変わるほど、人生は甘くないよな!」と思い、やめた。たぶんコレが、私の金銭の尺度、そして人としての度量なんだと思う。

口座にお金がたまっていくのを、指をくわえて見ている。ぜいたくな悩みなのかもしれないが、非常にシャクである。ただ、これから先の人生、なにが起こるかわからないしな。お金は、あったほうがいいしな。そういうわけで、今月も口座にたまっていくお金を見ながら、悶々としている。

タイトルとURLをコピーしました