人生最後の旅に出る その5(函館~青森・青函連絡船)

01.人生最後の旅に出る
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その4からの続き>

おウチを出て5日目、今日もホテルで目を覚ましました。
身体はクタクタ、眠れないにせよ昼過ぎ夕方までグッタリしていたいところですが、チェックアウトの時間は決まっているので仕方なくホテルを出ます。
スーツ、ワイシャツ、インナー、一度も着替えていません。
自分では気づきませんが、もしかしたらすごい異臭を発しているやもしれません……。

ともあれ一度函館駅へ戻り、インフォメーションで青森行きフェリー乗り場までの道順を尋ねます。
函館最後の記念に路面電車を利用しました。

函館-青森をつなぐ航路というと、石川さゆり『津軽海峡・冬景色』に登場する青函連絡船です!
『津軽海峡・冬景色』を聞いていると、男と別れた女が一人船に乗って海路を行く物悲しい旅情、厳しく吹き荒ぶ雪や暗く荒れる海が浮かんできます。

歌の中の道程は「上野→(下り夜行)→青森→(海路)→函館」と、私とは逆方向ですが、とにかく同じ船に乗れるのだと思うと、気分がドンドン盛り上がってきます。

「青函連絡船の乗り場にはどういけばいいのでしょうか?」
「連絡船? 青函フェリーでいいですか?」
「フェリー? 連絡船がいいのですが……」
「連絡船っていうのは、もうないんですよね……」

なんと、青函連絡船(JR)は1988年3月13日の青函トンネル開通と同時に廃止されていました。

これはまったく私の知識不足でしたが、本来「連絡船」というのは、線路を敷設できない海上などで鉄道車両を運ぶために運行される船のことを言うそうです。
広義には「鉄道会社が運行する船」を指すため、青函航路を運行する船の中でも、JRの運行する船は、貨物船・客船も含めて「連絡船」と呼ばれていました。
逆に言えば、JRの船以外は「連絡船」とは言わないってことです。

現在でも、協栄運輸株式会社北日本海運株式会社が共同で運行する青函フェリーと、津軽海峡フェリーの2航路は運行されており、青森-函館間の船便は存在します。
しかし『津軽海峡・冬景色』で歌われた「(鉄道)連絡船」は、1988年に姿を消してしまっています。

最後の連絡船は、函館港近くにある函館市青函連絡船記念館摩周丸で見ることができます。
船を港に係留、その中で資料の展示も行っているそうです。
連絡船が無くなっていた(それも30年近く前に!)のはショックでしたが、ここは北海道の南端函館、これからまた北上し札幌に戻るのもイヤだったので、諦めて青函フェリーで青森へ行くことにしました。

青函フェリーの乗り場は、函館駅より少し北の港にあります。
駅からはやや距離があるので、函館バスに乗って駅を出発、北浜町停留所で降車しました。

北浜町停留場近くには、フェリー乗り場へ案内する看板が出ています。

乗り場まではまっすぐ歩けば5分ほどの距離ですが、港がだだっ広いため少し迷いました。

ご覧のとおり、乗車待ちの車が並んでいます。
北海道-本州間をつなぐ、物流の足として使われているのでしょうか。

貨物スペースです。

3号はやぶさ』という船に乗りました。
新潟-苫小牧間で乗船した『フェリーあざれあ』と比べると遥かに小型の船であるため、やや強い揺れを感じます。

船体で波や風を切るように進むので、さぞかしスピードが出ているものだろうと感じていましたが、調べてみるとあざれあ(22.7ノット、約42km/h)に対し3号はやぶさ(18.7ノット、約35km/h)と、こちらのほうがやや遅かったみたいです。

函館港-青森港の所要時間は約4時間、カーペット席で横になったり、デッキから海を眺めたりして過ごします。

コーヒーを買って北海道の環境に貢献しました。

幸いなことに天気もよく、波もそう高くありませんでした。

「3号はやぶさ」の一般客室はカーペット席のみ、「あざれあ号」のように半個室・個室はありません。
乗船時間は短いため浴室は当然無いですが、シャワー室はついています。
トラックドライバーさん向けの簡易寝室もあり、一般客も利用できるそうです。
すごく利用したかったですが、どこにあるのか探す気力がありませんでした。

徐々に函館が遠くなっていきます。

平舘海峡をくぐります

奥羽山脈でしょうか、恐山山地でしょうか、よく覚えていません。

青森湾に入り、青森の街が見えてきました。

本州到着です。

青森港から、青森駅へ向かいます。
ココの距離が意外と遠く、1.5kmほど離れているのですが、意識が朦朧としていてバス乗り場などを探せる状態ではなかったのか、何故か歩くハメになりました。
いろいろ見ることができたので、良かったといえば良かったのですが、身体がガタガタです。

ギョッ、ウォー、まサカナぁー、の水族館、浅虫水族館
サイコーに惹かれます。


みちのく北方漁船博物館

既に閉館したそうですが、船は展示してありました。

飛行機

河口
青森では、桜が咲き始めていました。

青森ベイブリッジ
橋脚周辺は公園風に整備されていて、とてもキレイです。

ようやく青森駅に到着

1時間ほどかかった気がします。
立っているのもしんどい。

青森からは、五能線に乗って五所川原駅へ向かいます。

途中川部駅で乗り継ぎ
この駅からは、地元で「津軽富士」と呼ばれる岩木山が大変キレイに見えます。
ボケーッと見とれていたら、すぐに次発の列車が来てしまいました。

五所川原駅に到着

JR五所川原駅は、津軽鉄道に連絡しています。
津軽鉄道(津鉄)の駅舎や車両、すごく味があるんです。

改札

オレンジ色の車両

駅舎

本社事務所でしょうか

ゆっくり見たいところですが、今日はもういろいろ限界なので、さっさとホテルに入ります。

そういえば、今日は朝からなにも食べていませんでした。
コンビニでおにぎりでも買おうとホテルを出ましたが、夜の五所川原駅前はマジで閑散としていて、食事を摂れそうな店がありません。

JR五所川原駅駅舎

駅前の様子

しばらく歩いて見つけた赤ちょうちんで、運良く津軽の郷土料理を食べることができました。

津軽の冬はさぞかし雪が多いのでしょうね……

手前右側 若生おにぎり
薄く若い昆布で包んだおにぎりです。
おいしいです。

奥左側 貝焼き味噌
ホタテの貝殻の鍋に、ダシ汁、味噌、タマゴを入れて煮た料理です。
おいしいです。

奥右側 けの汁
野菜をたっぷり入れた味噌汁です(味噌でなく、醤油で調理するトコもあるそうです)
おいしいです。

東北地方の郷土料理、彩りが乏しいというか、正直あまり美味しそうなイメージが無かったのですが、こちらで頂いたものはどれも臓腑に染み入るような美味しさでした。
味つけも盛りつけもシンプルですが、それだけに安心感があります。
特に若生おにぎり、昆布の潮味旨味がご飯に染みていて、すごくオススメです。
漁師や木こりが食糧として持ち歩いたのが始まりだそうで、旧国鉄時代には、行商のおばさんが電車で移動するついでにコレを車内で販売していたこともあったそうです。

一人でトボトボ食べていると、隣席のご夫婦に話しかけられました。
「出張ですか?」と訊かれたので、事情をかいつまんでお話すると、お酒をご馳走して頂けることに……。
人と話すのも久々だったので、ついつい甘えてしまいました……なんか申し訳なかったです……。
「明日は津鉄に乗って金木に行きます」と話すと、町のこと、津鉄のことについていろいろと教えて下さいました。

ホテルに戻ると即就寝。
せっかく青森近辺まで来たなら、一度は行ってみたい場所がありました。
五所川原市金木町にある太宰治の生家『斜陽館』です。
明日はそこへ向かいます。

<その5へ続く>

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