現代社会をサバイブする障害者入門

03.精神障害のこと
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私は、障害者である。双極性障害(躁うつ病)という精神障害と、発達障害(ADHD)を持っている。双極性障害では10年ほど、発達障害では1年ほど治療を続けている。

向精神薬も、たくさん飲んでいる。双極性障害の治療のために、リーマスやジプレキサ、デパケンなどを飲んでいる。発達障害の治療のために、ストラテラという薬を飲んでいる。そのほか、睡眠にも問題があるので、そのための薬も飲んでいる。

精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)も持っている。等級は、いちばん下の3級。精神障害・発達障害を持っていて、障害者手帳も持っているので、名実ともに障害者である。

精神障害・発達障害を持っていると、とにかく生きていくのがキツい。日々の生活もキツいし、働くのはもっとキツい。実際、私はいま働けていないし。

しかしながら、毎日生きていかなければならないし、働かないと生きていけない。なので、障害者がすこしでもラクにうまく生きていくためのTipsみたいなものを、いくつか紹介したい。

1.自立支援医療

精神疾患・精神障害になると、通院・投薬による長期間のケアが必要になることが多い。そこでネックになってくるのが、医療費である。

たとえば精神科通院をして服薬をする場合、病院にかかって1,500円ちょい、お薬をもらって3,000円ちょい、1回の治療で5,000円前後がスッ飛んでいくことも、よくある。

そこで、自立支援医療である。自立支援医療とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」第5条に定められた医療費の支給制度。カンタンに説明すると、通常なら健康保険で3割負担になる医療費が、自立支援医療を利用すれば1割負担で済む。

対象は、精神疾患の通院・投薬治療一般。治療のほかに、軽快後のケアのためにも利用できる。

実施は都道府県・指定都市ごとによって行われており、各市区町村役所の障害福祉課などで申請ができる。申請には、お医者さんの診断書が必要になる。診断書を書いてもらうのに多少費用がかかるけど、申請すればだいたいは通る。医療費でお悩みの人には、ぜひ利用してもらいたい。

自立支援医療(精神通院医療)の概要
自立支援医療(精神通院医療)の概要について紹介しています。

2.精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)

身分証。コレを持っている人のことを、一般的に「障害者」と言うみたいだ。あまり役には立たない。

等級に応じてメリットが変わってくる。たとえば私の持っている3級の手帳なら、所得控除枠が増えたり、公共交通機関や公共施設の割引があったり、1,000円で映画が観れたりする。

これも各都道府県が発行しており、市区町村役所の障害者福祉課などで申請できる。これも申請にはお医者さんの診断書が必要だけど、申請自体はまったくむずかしくない。

障害者手帳の最大の利点は、持ってると失業給付がすぐもらえることと、失業給付の受給期間が長くなること。

通常だと、7日間の待機期間+3ヶ月の給付制限期間が終わったあと、自己都合退職の場合90日~失業給付を受給できる。

障害者手帳を持っている場合、7日間の待機期間が終わったあとすぐ、300日~失業給付を受給できる。なので、仕事に不安がある人には取得することをオススメする。

精神障害者保健福祉手帳|経済的な支援|治療や生活に役立つ情報|みんなのメンタルヘルス総合サイト

3.障害者雇用

日本の企業や自治体には「障害者雇用促進法」による「法定雇用率」というのが定められていて、ざっくり言えば全従業員の2%強は障害者を雇用しなければならないことになっている。従業員が50人以上の企業の場合、1人以上は障害者を雇わなければならない。

なので、大きな会社ならだいたい障害者雇用の枠がある。障害者であることが、就職に有利に働く。アドである。

障害者雇用の枠を、どうやって探すか。就労移行支援事業所に通うのが、いちばんはやい。就労移行支援事業とは、障害者の就労をスムーズにするための事業のこと。基本的なマナーやビジネススキルを教えてくれる、就職のためのリハビリ事業。

就労移行支援事業所へマジメに通っていれば、事業所から仕事を紹介してもらえるらしい。

ただ、障害者雇用はおおむね賃金が低い。身体はワリと高いが、精神・発達はかなり低い。最低賃金未満の求人も、ザラにある。なぜ障害者雇用の賃金は低くなるのか?

最低賃金制度には、減額特例というものがあり、障害などが原因で「労働能力が低い」とみなされた場合、労基署の判断で最低賃金が減額される。

というわけで、私は障害者雇用に対しては否定的なんだけど、働く意欲が強い人は利用してみてもいいかもしれない。

障害者雇用対策
障害者雇用対策について紹介しています。

4.障害年金

障害の程度に応じて、年金がもらえる。年金なので、年間でもらえる金額が決まっている。それを月割した金額が、毎偶数月の15日に振り込まれる。

障害年金には、障害者基礎年金と、障害厚生年金、ふたつの年金がある。

障害基礎年金は、原因となる疾患・障害の初診日に加入していたのが国民年金の場合にもらえる年金。1級と2級、ふたつの等級しかなくて、審査はワリとキツい。

障害厚生年金は、原因となる疾患・障害の初診日に加入していたのが厚生年金の場合にもらえる年金。やはり審査はキツいが、コッチは1~3級まである。

ぶっちゃけ「障害年金で食っていける」という額はぜんぜんもらえない。ないよりマシという金額なんだけど、ないよりマシなので申請をオススメする。

あと、長いあいだ障害を持っている人の場合、遡及請求といって、5年間さかのぼって年金を請求できる。要件は厳しいけど、まとまったお金が入ってくる可能性のある、夢のある制度。

実施者は日本年金機構なので、申請の窓口は年金事務所になる。申請には、お医者さんの診断書が必要。

障害年金|日本年金機構

障害年金、申請をオススメしたいのだけど、いろいろむずかしい点も多い。

まず、診断書が高い。自立支援医療の診断書は3,000円くらい、精神障害者保健福祉手帳の診断書は5,000円くらいで済むのに、障害年金の診断書は10,000円くらいかかる。障害年金の診断書は、書くのが大変だから仕方がないけど。

あと、手続きがメチャクチャ大変である。申請書の量が、とにかく多い。たくさん書かなくてはいけない。過去に複数の病院へ通っていた場合、すべての病院から診察履歴を取り寄せなければならない。

手続きはメチャクチャ大変なんだけど、申請を代行してくれる社会保険労務士さんがいたり(有料だけど)、地域のNPOとかで申請のお手伝いをしてくれるとこもあるので、そういうのを頼るといい。

とりあえず、いまのところ私が知っている制度はこれくらい。たぶんほかにもあるので、ぜひ調べてほしい。日本の福祉制度は、意外と充実している。

あと、障害の有無を決めるのはお医者さんなので、なにはともあれ、お医者さんの助けが必要ということだ。困ったら、まず病院へ行こう。

お医者さんのほかにも、自治体の障害福祉課や、官民の精神保健福祉士、地域の福祉事務所など、相談できるところは案外たくさんある。やり場のない苦しみを抱えた人が、すこしでもはやく医療や福祉につながることを祈ってやまない。

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