双極性障害(躁うつ病)とはなんなのか

03.精神障害のこと
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2010年に双極性障害(躁うつ病)の診断を受けてから、今年でちょうど10年になる。非常に長い付き合いである。はじめは「抑うつ状態」という診断だったのが、躁転をきっかけに「双極性障害」の診断を受けた。

長い付き合いなんだけど、私は最近まで双極性障害のことをよく知らなかった。そのせいで、双極性障害に振りまわされて痛い目にあったり、会社をやめたり(1回目)、ひきこもったり、会社をやめたり(2回目)、まわりに迷惑をかけたりした。

2回目に会社をやめたあたりで「このままではマズい」と思い、双極性障害についての勉強をはじめた。「勉強をはじめた」って言っても、インターネットの記事を読んだり、双極性障害当事者のSNSをフォローしたり、新書を読んだりした程度だけど……。

「そもそも双極性障害とはなにか」からはじまり、自分の体験と情報・知識を照らし合わせた結果、双極性障害との付き合い方がわかってきたので、備忘録的に書いておく。

なお、これから書くことはあくまで「私の場合」である。罹患するきっかけや症状、障害との付き合い方は人それぞれなので、参考程度に読んでほしい。

1.双極性障害とはなにか

双極性障害は、かつて「躁うつ病」と呼ばれていた。その名の通り、気分がアッパーになる「躁状態」と、気分がダウナーになる「うつ状態」とを、周期的に繰り返す精神障害である。

2.双極性障害Ⅰ型と双極性障害Ⅱ型の違い

双極性障害には、Ⅰ型とⅡ型がある。Ⅰ型とⅡ型は、躁状態の程度によってわけられる。

Ⅰ型の場合は、

双極Ⅰ型障害は、患者さんの人生や家庭が破壊されかねない、激しい躁状態が特徴です。

加藤忠史『双極性障害【第2版】─双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療』(ちくま新書)

とある。

それに対し、Ⅱ型の場合は、

双極Ⅱ型障害は、Ⅰ型と同じようなうつ状態と、軽躁状態を繰り返す病気です。

同上

とある。

Ⅱ型の軽躁状態とは、

本人もまわりもそれほどには困らない程度の状態です。

気分が高揚し、仕事がはかどり、いろいろなアイデアが湧いてきて調子が良いというような状態を言います。患者さんにとっては、いつもより気分がいいと自覚される状態ですから、軽躁状態の時に病院にいらっしゃる場合は、ほとんどありません。

同上

とある。

3.躁状態になるとどうなってしまうのか

Ⅱ型の場合、軽躁状態は「調子が良い」くらいの状態なので、フラットな状態と軽躁状態とをハッキリ判別するのはむずかしいと思う。

Ⅰ型の場合は、あきらかにハイになる。「躁転したな!(躁状態になったな!)」というのが、目に見えてわかる。

私の場合、Ⅰ型・Ⅱ型の診断は受けていないのだけど、あきらかな躁エピソードがあるので、たぶんⅠ型だと思う。

以下は個人的な体験だけど、躁状態になったときにやらかしてしまったこと一覧。

・過食

食欲がおさえられず、とにかく食べすぎてしまう。限界まで食べて、吐くのだけど、それでも食べることをやめられなくなる。

時間もかまわず、お腹がすいたらすぐなにかを食べる。吐いても吐いても、食欲がおさまるまで食べる。冷蔵庫の中身を何度かカラッポにしてしまったこともある。

・過量飲酒

とにかくお酒を飲むことがやめられなくなる。酩酊して、泥酔して、嘔吐してもまだ飲む。明日のこととかは考えずに飲みまくる。

結果、二日酔いで仕事へ行ったりしていた。そのときは後悔するのだけど、その日の夜にはまたお酒を飲んでいる。アルコール依存との結びつきもあると思う。

・性的奔放

食欲とおなじように、性欲もおさえられなくなる。複数の相手と関係を持とうとしたり、性的サービスを多用していた時期もあった。

性欲がおさえられない、セックスがやめられなくなって、一日に12回性行為をしたことがある。

・誇大妄想

気が大きくなって、できもしない目標を立てたり、まるでなにかを達成したかのようにふるまったりする。

一時期、私は小説家を目指していた。出版を夢見て新人賞に応募するが、ハシにも棒にもかからない。「私の本が出版されないはずがない!」「私の本は本屋からハブられているに違いない!」と本気で思いこみ、近所の本屋に火をつけようとしたことがある(そもそも出版されていない)。

・過度な社交

人と会う・人と話すことに対して、異常なバイタリティを発揮するようになってしまう。相手の迷惑もかえりみず夜中に電話をかけたり、「いまから遊ぼう」などと持ちかけたりする。

開放的・社交的になって、知らない人にも気軽に話しかけるようになる。反面、他人に対して支配的になって、相手が自分の思いどおりにならないと(冷たくあしらわれたり、遊びの誘いを断られたりすると)、すごく腹を立てたりする。

・不眠

奥田民生「イージュー☆ライダー」の歌詞に「眠らない体を すべて欲しがる欲望を」っていうのがあるけど、マジでそういう状態になる。眠れない。というか、眠らなくても大丈夫になってしまう(ぜんぜん大丈夫ではないのだけど……)。

以前躁転したとき、いつものように小説を書いていたら、眠るのが惜しくなってしまったことがある。そのまま72時間起きっぱなしでパソコンに向かい、そのあと電池が切れたようにプツッと意識を失った。

・浪費

金づかいが、病的に荒くなる。収支を考えずにお金を使ってしまう。ほしいものはすぐ買う、迷わず買う、ためらわず買う。躁転していたときには、給料日にひとりで飲みに出かけて、一晩で給料を全額使い切ってしまったことがある。

私の場合、自分のお金を使っただけ、金額もせいぜいトータル数百万円なのでまだマシだけど(若干の借金は作ったけど……)、私の祖父(たぶん双極性障害だった)の場合などは、金融機関や親しい人から借金をしたりして、なんやかんや数億円単位の浪費をしている。そういうこともある。

・観念放逸

頭のなかにアイデアがつぎつぎと浮かんできて、ひとつのことに手がつかなくなる。ひとつのことをキチンと終わらせるのが困難になる。私の場合、長年書いていた小説がコレで、アイデアはポコポコ浮かぶのだけど、プロットを立てたあたりで飽きてしまった作品が山ほどある。

これは誇大妄想に通じるところもあるんだけど、自分のアイデアを「すばらしいものだ!」「ぜったいに成功する!」と確信していて、それに異議をとなえられたり、「躁状態になってない?」とか言われると、メチャクチャ怒るようになる。

・多動

ジッとしていられなくなる。とにかくつねになにかをしていないと気がすまない。躁状態になると、だいたいまったく眠れなくなる。そのため、夜は話し相手も遊び相手もいなくてヒマなので、よく深夜徘徊をしていた。とにかくジッとしていられない。

観念放逸にも通じるところがあるけど、とにかく頭や手足を動かしていないと気がすまない。私はDIYやら自転車のチューニングやら、つねに手を動かしてごまかしていた。

4.うつ状態になるとどうなってしまうのか

双極性障害なので、躁状態のあと(あるいは前)には、かならずうつ状態がくる。うつ状態のときにも、多種多様な症状におそわれることになる。

・抑うつ気分

「うつ」と言うと、なんとなく「元気がない」「意欲がない」「落ち込んでいる」みたいな気分だとカン違いされやすいけど、そうではない。読んだ本に、いいことが書いてあった。

抑うつ気分は、やる気がないとか、意欲が出ないといったことと間違われやすいのですが、そういうものは抑うつ気分ではありません。抑うつ気分とは、あるべき意欲がないというものではなく、普段あるはずのない筆舌に尽くしがたいうっとうしい気持ちが襲ってくる、というようなものなのです。

同上

たしかに、うつ状態のときは、なにか異質なものにおそわれているような感覚をおぼえる。それも、24時間ずっとおそわれている。そのせいで、心身ともにまいってしまう。

・興味喪失

その名のとおり、なにに対しても興味が持てなくなる。私の場合であれば、あれほど熱を上げていた小説が、うつ状態になったとたん、どうでもいいものになってしまった。

趣味やモノだけでなく、人に対しても興味がなくなる。うつ状態になると、愛する家族ですらうっとうしいものに思えてきて、どこかへ消えてほしい、あるいは自分がどこかへ消えてしまいたくなる。

・不眠過眠

うつ状態でも、眠れなくなることがある。うつ状態のときの不眠は、躁状態のときのようにエネルギーにあふれる不眠ではない。身体も心もヘトヘトなのに、ただただ眠れない。イヤな考えが頭のなかをグルグルとまわって、ひたすら眠れない。

不眠とは逆に、眠りすぎることもある。一日10時間以上眠ってしまうことも、よくある。私の場合はだけど、眠っているあいだは現実から逃れられるから、起きたくない、起きられない。

・妄想

うつ状態になって療養しているとき、よく「私は家族に迷惑をかけている」「離婚して自殺したほうがいいのではないか」といったことを考えていた。こういう妄想を「罪業妄想」といい、これによって死ぬ人もワリといるらしい。

そのほかに「貧困妄想」というのもあって、うつ状態のときはよく「来月の支払いができずにホームレスになる」「カード会社から破産申立てをされる」「借金の取立に追いかけられる」といった妄想もしていた。

・希死念慮

「死にたい」「このまま目覚めたくない」「消えてしまいたい」「いなくなってしまいたい」こういう観念のことを希死念慮というんだけど、うつ状態のときはコレにひんぱんに悩まされる。

希死念慮の原因は、いろいろ考えられる。原因がハッキリしている場合もあれば、よくわからない場合もある。希死念慮への対処法、私は知らない。ひたすら耐えるしかない。対処法、あったら教えてほしい。

・自殺

過去に3回、自殺を図ったことがある。厳密に「うつ状態だったか?」と問われると、微妙なところだけど(双極性障害には、躁状態とうつ状態とが混ざった「混合状態」というのもある)、とにかく気分が落ち込むところまで落ち込んで、死のうとした。

双極性障害は、他の精神疾患・精神障害と比べても自殺のリスクが高い。とくに混合状態のときは、うつ状態のときの気分の落ち込みと、躁状態のときの過活動が重なって、自殺のリスクがさらに高まるらしい。

5.双極性障害とどう付き合うか

躁状態・うつ状態の症状ばかりを長々と書いてきたが、結局どうすればいいのか。10年間付き合った結果として、なによりいちばん大切なのが「薬をちゃんと飲む」ということだと思う。

双極性障害の治療の柱のひとつが、薬物療法である。加藤先生の本にも、

双極性障害の治療の基本となるのは、リチウムという薬です。

同上

と、ハッキリ書いてある。リチウム、双極性障害の治療に使われはじめてから6、70年の歴史があり、機序(なにがどこにどう効くのか)はまだハッキリわかっていないけど、とりあえず効くことだけはわかっている。まず、リチウムをキチンと飲もう。

あとは、自分の気分の波を自覚して、それに合う環境を選ぶことも大切である。「そんなものあるのか?」と思われるかもしれないけど、現に社会でやっていっている双極性障害の当事者はたくさんいるので、探せば見つかると思う。

たとえば私なら、いまだに睡眠が不規則で、毎日キチッと定時出勤するのはむずかしそうなので、いまはフレックス制の会社へ就職することを目指している。

自分の気分の波を自覚するために有効なのが、心理療法、たとえばカウンセリングなどである。心理療法は、薬物療法と並んで、双極性障害の治療の柱のひとつである。

双極性障害になって、躁やうつを繰り返したり、薬で気分をコントロールしたりしていると、「正常な自分」というのがよくわからなくなってくる。そこで、心理療法の出番である。定期的にカウンセリングに通い、自分の気分を報告して、客観的にモニターしてもらう。これで「正常な自分」を見直すことができる。

双極性障害、往々にして好調なときの自分を「正常な自分」だと思い込みがちだけど、ソレって実は躁状態じゃないの? 本来の自己像・本来の生活を取り戻すためにも、心理療法は有効だと思う。

6.双極性障害の当事者はどうしたらいいか

症状や状況や環境、当事者によって違うだろうから、一概に「こうすべき」みたいなことは言えないけど、確実に言えることがみっつ。

ひとつ、双極性障害とは、長い付き合いになることを知っておくこと。双極性障害とは、躁とうつ、気分の双極を行ったり来たりする病気なので、何年もかけて再発を繰り返す。5年程度で寛解するケースもあるらしいが、一生寛解しない・再発を繰り返し続けるケースもある。

なので、双極性障害のケアには、とても長い時間がかかると思っておいたほうがいい。私は罹患して今年で10年目だけど、10年経ってやっと「付き合えている」という感覚を覚えられるようになった。

双極性障害は再発するけど、それほど悲嘆はしなくてもいい。たしかに再発するけど、きちんとケアさえしていれば、再発したときの気分の波は小さくなっていく。私も最近躁状態に近い気分の変調を感じているけど、罹患初期のように破壊的・破滅的な行動に走ったりはしない。

ただ、加藤先生の本にもあるように、

再発を繰り返している間に、人間関係が途絶えてしまう、仕事を失ってしまう、あるいは家族関係が破壊されて離婚してしまうなど、さまざまな形で社会生活が障害され、患者さんのもともとの生活レベルが、病気によって大きく低下してしまうということがわかってきました。

同上

再発の都度、ケアをちゃんとしないと、生活がメチャクチャになっていく。なので、長い目で見て、希望を捨てずに付き合っていこう。

ふたつ、薬をキチンと飲むこと。さっきも書いたけど、双極性障害の治療の基本は薬物療法である。私は医者ではないので断言はしないけど、薬なくして治る病気ではないと思っている。

薬、飲むのが面倒くさい。双極性障害でも、寛解期(躁でもうつでもない、目立った症状が出ない時期)に入ると「もう薬なんて飲まなくていいのでは?」と思ってしまいがちだ。ともすれば、通院とセットで服薬もサボってしまいがちである。

ただ、薬を飲むのをやめてしまうと、強い再発のリスクにさらされることになる。寛解したかしないかは自分で判断せず、プロであるお医者さんのOKが出るまでは、忘れずに服薬を続けよう。

みっつ、自分の気分をモニタリングすること。コレもさっき書いたけど、躁とうつ、薬の効き目で気分が目まぐるしく変わっていると、「正常な自分」を見失いがちである。なので、まずは「正常な自分」を取り戻す、「正常な自分」とはなにかを見つけるところからはじめよう。

たとえば、毎日の睡眠時間を記録する。何時に眠り、何時に起きたか。コレをグラフにして見てみると、自分の気分の動きが目に見えてわかる。あとは、日記。どこへ行って誰とあってなにをしたか。活動量は適切か。過活動になっていないか。日記を読み返せば、気分の動きが目に見えてわかる。

「正常な自分」って書いたけど、なにをもって「正常」とするかは、自分で決めればいい。いちど双極性障害になったら、それ以前とおなじ自分でいるのはかなりむずかしいと思う。自分にとってあたらしい「正常」を見つけて、それを目指して安定させていくのがいいと思う。

7.双極性障害の当事者とどう接したらいいか

悩ましいのがコレ。身近(たとえば家族や恋人、親しい友人など)に双極性障害の当事者がいる場合、躁状態やうつ状態のときの対応でなかなか悩むことになると思う。というか、悩んでいる人は多いんじゃないか。

双極性障害のなかでも、躁状態の患者は、まず病院へ連れて行くことがむずかしい。加藤先生の本にも、

何しろ躁状態の患者さんは、ふだんよりはるかに調子がよいと感じています。これまで何十年間の人生は間違っていて、今初めて本当の自分になれたのだ、と言う人が、治療を受けたいと思うはずがありません。

同上

と書いてあるとおり、躁状態の当事者は「メッチャ調子いい!」「めちゃハッピー!」な状態なので、そもそも治療が必要である自覚がないことが多い。

かくいう私も、はじめて躁転したときは「うつが治った!」「第二の人生、スタート!」とカン違いして、メチャクチャよろこんでいた。よろこんで、テンションが上って、通院をやめて、それからもテンションが上り続けて、最終的に両親に引きずられて精神科へ連れていかれた。

あきらかに躁状態になっている場合。たとえば、目的もなく大きな借金をしようとする、会社をやめて小説家になると言い出す、資金がないのに大きく起業をしようとする、いきなり選挙に出ようとするなどした場合。止めたくなる気持ちはわかるけど、真っ向から否定するのはよくない。

躁状態になったときって、一刻もはやく病院へ行くべきなんだけど、躁状態になったときって、とにかく人の話を聞かなくなる。加藤先生の言うとおり、「病院へ行け」と言ったところで、素直に従うはずがない。

なので、それとなく病院へ行かせる、治療を受けさせることが必要である。加藤先生は、

躁状態の患者さんは、休みなく、いろいろなことに手を出し、あれこれやっています。しかし結局のところ、本人の思う通りになっていないことが多いので、常にイライラしているものです。夜眠れないなどの身体的な問題も抱えています。

そこで、そのような「何日も寝ていない」「身体が疲れているのではないか」という問題を持ち出し、身体が心配だから病院に行こうと説得するのが、一番良い方法ではないかと思います。

同上

これはごもっともで、躁状態の場合は精神的な不調(本人にとっては好調なのだが……)にくわえて、身体的な不調(不眠、過労など)がセットになっていることが多いので、身体からアプローチをすることが効果的だと思う。

双極性障害の患者が、躁状態になる。まわりの人から見ると、それまでとは人が変わってしまったように映るかもしれない。そういうとき、ストレートに「変だよ」「おかしいよ」と言っても火に油なので、「最近忙しすぎない?」「ちゃんと休めてる?」「心配だよ」みたいに、ソフトな言いまわしが必要になってくる。面倒だけど。

うつ状態のとき。医療はあまり心配ないと思う。具合が悪くなっていること、本人にとっても、まわりから見てもあきらかにわかるので。2週間くらいずっとふさぎ込んでいたら、病院へ行くようにすすめてみよう。たぶん素直に行くと思う。

ただ、うつ病と双極性障害とは、まったく別の病気で、治療法も異なるため、注意が必要だ。加藤先生の本にも、

初めてのうつ状態で受診した場合、通常抗うつ薬による治療をうけます。しかし、実際には、前述の通り、うつ状態で病院を受診している人の二、三割は、双極性障害の患者さんです。

双極性障害の患者さんが抗うつ薬だけで治療を受けると、躁転を引き起こす可能性があります(これは抗うつ薬に躁転という副作用があるわけではなく、潜在的な双極性障害のある、双極性障害になりやすい体質を持っている患者さんだけが、抗うつ薬を飲んで躁転してしまう、と考えられています)。

同上

とあるように、よかれと思って飲ませた抗うつ薬で、あわれ躁転してしまう場合もある。なので、うつ状態になる以前、普段の状態のなかに、「アレは、軽躁状態だったのかも?」「アレは、躁状態だったのかも?」と思い当たるフシがないかどうかは、しっかり確認しよう。

うつ状態で問題になってくるのが、普段の接し方である。うつ状態になっている人、とにかく落ち込んで、死体みたいになっているから、心配する気持ちはすごくわかる。個人的には、はげまされたり元気づけられたりすると、かえって疲れて落ち込むので、ソッとしておいてもらっている。

双極性障害の当事者が身近(たとえば家族や恋人、親しい友人など)にいる人、元気なうちに「躁状態になったらどうするか(どうしてほしいか)」「うつ状態になったらどうするか(どうしてほしいか)」を話し合っておくのがいいと思う。事前に対処法を決めておけば、いざ躁状態になったり、うつ状態になったりしても、それほどあわてずにすむ。

ここまで、勉強した内容と、私の体験をもとに書いてみた。バイポーラー(双極性障害患者のこと)の人たち、全部うなづけるわけではないだろうけど、多少は重なるところもあるんじゃないだろうか。

双極性障害、非常にやっかいな病気なんだけど、ちゃんと寛解する。寛解してからも薬物療法は続けたほうがいいらしいけど、寛解したら月イチで病院へ行って薬をもらう、くらいの治療で生きていける。それぐらいだったら、負担に感じることはない。

まわりの人も、「双極性障害」という物々しい病名にまどわされず、ちゃんとその人を見て、接してくれるとうれしい。

くわしいことは、加藤忠史先生の『双極性障害【第2版】』に書いてあるので、よければ手にとってもらいたい。ちなみに、これからは「双極性障害」ではなく「双極症」と呼ばれるようになるそうだ。

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