病は気から

02.メンタルヘルスのこと
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2年前に、勤めていた会社を退職した。とてもいい会社だったけど、双極性障害(躁うつ病)のうつ状態が悪化して、退職せざるをえなくなった。

退職してからずっと、「もう就職なんてムリだ」という気持ちが強かった。前職の会社、大変なホワイト企業で、労働環境はサイコーによかった。そんなホワイトな会社ですら勤まらなかったのだから、もうどこへ行ってもムリ、そんな気持ちになっていた。

体調も、なかなか回復しなかった。退職してから1年弱は、うつ状態から抜け出せなかった。うつ状態が快方に向かってからも、気分の浮き沈みが激しく、就職して働ける状態にはほど遠く感じた。

メンタルの問題で仕事から離れるのは、これが2度目。休職や復職を入れると、もう何度目かわからない。学習された無力感というか、「どうせどこでなにをしてもムダなんだろ」という思いで頭がいっぱいだった。

フリーランスという生き方も、頭に浮かんだ。とはいえ、フリーランスになるためになにをしたらいいのか、全然わからない。フリーランスとして生きていけたらいいなあ、という憧れはつねにありつつ、手も足も動かない。

そんなんだから、なかなか再就職に気が向かなかった。カウンセラーさんから、就労移行支援事業(一度調子を崩した人の再就職をサポートする事業)を勧められても、イマイチ乗り気になれなかった。

それが最近になって、就職についてにわかにヤル気が出てきた。なにが要因かはわからないけど、強いてあげるなら体調だろうか。このごろは薬がよく効いているのか、気分の波もすくない。努めて規則正しい生活を送っているせいか、気力も充実している。

双極性障害とその症状についても、ある程度わかってきた。いままでは得体の知れないバケモノに脅かされているような気がしていたけど、障害に対する理解が深まったせいか、それほど恐怖を感じなくなった。

そんなわけで、最近は双極性障害のコントロールがきくようになってきた。あいかわらず気分の波はあるけど、躁とうつ、それぞれの兆候を見つけて、未然に対処できるようになってきている(たぶん)。

単純に体調がよくなってきたことが、ひとつ。

双極性障害に対する恐怖心が薄れてきたのが、ふたつ。

症状をコントロールできるという自信がついたことが、みっつ。

いままで感じていた無力感が消えて、就職に向けてがぜん「やるぞ!」という気持ちになってきた。

いま、とても状態がいい。早起きをして、充実した日々を過ごし、食事をキチンととり、お風呂に入って、0時には床につく。理想的な生活だ、仕事をしていないこと以外は。

身体も心も、順調に回復しつつある。「就職したい!」と思えるようになったことが、その最大の証拠だと思う。そういうわけで、就職に向けて、いくつか具体的なアクションを起こしている。具体的な成果はまだないけど、来年の春には就職していたい。

よく「病は気から」と言うけど、気を改めれば病はよくなるというのを実感している。ひとくちに「気」と言っても、単に「気の持ちよう」だけではない。

健やかな生活を送る

東洋医学で言うところの「気」、生きるエネルギーを不足・停滞させないのがひとつ。ちゃんと食べ、ちゃんと眠る、規則正しい生活を送って気力を充実させるのが、なによりも大事。メンヘラは早寝早起きをしろ、ちゃんとメシを食え。

会社をやめてから2年、しっかり養生して、徹底的に体調を整えたこと。お酒をやめて、夜ふかしもやめて、不摂生もやめた。おかげさまで、人並みに健康な心身を取り戻せた気がする。

とくに、お酒をやめたこと。以前なら、イヤなことがあるとすぐお酒に逃げていた。完全にお酒に依存していて、泥酔することで憂さをごまかしていた。お酒をやめるのは正直キツかったけど、お酒をやめることで生活の問題と正面から向き合えるようになったし、なにより身体が健康になった。

心のあり方を知る

次に、気の持ちようというか、自分の心のあり方を知ること。双極性障害になってしまったことは、もう仕方がない。無念、残念なことではあるけど、あきらめるしかない。大事なのは、ここで立ち止まるのではなく、これからどうしていけばいいかを考えること。私で言えば、双極性障害とはどういう障害で、どういうときにどういう症状が出るのか。それを知ること。

双極性障害について学び、知った。そもそもどういう障害なのか、本とかを読んで勉強した。それまでは「なんとなく気分が上下する病気なんでしょ」くらいの理解しかなかったけど、さすがにソレじゃマズいな~と思って、詳しく調べた。

そしたら、どんなときに、どう気分が変わるのかとか、なにが気分の変化のトリガーになりやすいかとかが、だんだんわかってきた。たとえばお酒はよくないとか、睡眠不足はよくないとか、季節の変わり目に弱いとか、いろんなことがわかった。

精神の安定を保つ

それから、気持ちの安定。私は双極性障害で、とにかく気分がブレがちだけど、これをコントロールして安定させること。気分が上がってきたとき、下がってきたときに、適切に対処すること。どう対処したらいいかを考えて、日々試行錯誤すること。

自分の気分の変化、些細な変化も見逃さないようにした。気分の変化があったときは、慎重に対処するようにした。気分が変化したときはどうすればいいのか、どうすればコントロールできるのか、自分の身体でいろいろ実験してみた。

以前であれば、気分の変化、躁とうつとに振り回されて心身ともにクタクタになっていた。しかしたび重なる実験の結果、いまはかなり気分の変化をコントロールできている。いまだにままならないことは多々あるけど、それでも「なんとかやっていけるのではないか」という自信がついた。

まずは健やかな生活を送り、健康な肉体を手に入れること。健全な精神よ、健全な肉体に宿れかし。適度な運動、過不足のない食事、充分な睡眠。これがなにより大切である。

次に、障害について受け入れること、自分の精神のあり方を知ること。ジタバタせず、あきらめて受け入れる。双極性障害とは、どういう障害で、どういう症状が出るのかを知ること。姿の見えない怪物と戦うのはつらいが、姿さえ見えればそれほど恐れることはない。

障害について受け入れたうえで、じゃあ自分はどうしたらいいのか。どうすれば精神の安定を保てるのかを考えること。気分が上がったとき、あるいは下がったとき、どう対処したらいいのかを知ること。対処法さえわかっていれば、気分が上がっても下がっても、それほど慌てることはない。早めに対処できれば、被害もすくなくてすむ。

回復のプロセスを、順調に進んでいるように感じる。自分で自分をほめてあげたい。

「病は気から」気がたしかなら、病に振り回されずにすむ。健やかな生活を送る、心のあり方を知ること、精神の安定を保つ、このみっつが実践できれば、なんとかまた就職して、それまでのように生きていける気がしている。

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